幕末異聞ー参ー


――万華鏡


筒の中にある硝子の色と数は限られているのに、少し回せば形、色すらも変えて私を魅了する。


沖田様は万華鏡に似ている。いつからかそう思うようになった。

最初に診療所を訪れた時には、笑顔の下に酷く暗い色を隠していた。
次に会った時には迷いを反映した複雑な色。


そして今日は…


「優しくて儚い色……」


大事なモノを見つけた人が持つ色。
ほんの少し会わない間に貴方に何が起きたのですか?

万華鏡は誰かの手によって形を変え、色を変える。


――沖田様、貴方は誰の力で美しい色に変化したのですか?



確実なのはそれが私ではないこと…




悔しい。





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