俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
天然でやってんだか図ってんだか…。
無意識なんだろうとは思うが、その態度が俺を惑わす。
「悠由」
「…!」
ピクンと大きく揺れた肩に、手を回す。
「っ…先輩……」
ますます赤くなって俯く悠由。
その顔に、歯止めが利かなくなった。
「! んんっ……」
そのまま自分のほうに引き寄せて、強引に唇を重ねた。
バサッと持っていたまた甘ったるそうなパンを、袋ごと落とす。
抵抗はない。
でも……いつもなら密かに俺の服を掴むのに、それもない。
どこか冷静な頭で不思議に思いながらも、それを気にするまでの余裕はなかった。
こんなに…余裕がないのは初めてだ。
こいつは俺を……こうも夢中にさせる。
…と、そのとき。
「んっ……ん!」
急にそう唸ったかと思うと。
「っ!?」
ドンッと俺の胸を押し、慌てたように飛びのいた。