俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
どうしよう……。
やっぱり嫌われちゃったかな。
このまま、なのかな…。
「ハァ……」
すぐに謝りに行けば……いや。
先輩のことだ、次の五時限目にはもうとっくにいないだろう。
やっぱり今日はどっちにしろ無理だったのかぁ。
「…なによ。先輩のばか。キス魔だしサボり魔だしその上…」
「その場にいねー人間に散々な言いようだなてめぇは」
……え。
「え…?」
足元を見ながら呟いていると、覚えのある容赦ない一撃がグソッと胸に突き刺さってきた。
「え……せ、先輩!」
顔を上げた先には、壁にもたれかかってこっちを見ている先輩。
「…おせーんだよ」
いや…あたし部活もしてないし、早いほうかと…あなたが早く帰りすぎ……いやそんなことどうでもよくて。
「な、なんで…?」
「なんでだと? お前俺様を突き飛ばして挙句逃げやがっただろうが」
「うっ」