俺様狼と子猫少女の秘密の時間①

――龍樹サイド――



「嫌いにならないで……!!」




小さな口から飛び出した言葉に、目を見開いた。


こいつ……なに言ってんだ?

なんだよその台詞はよ…。


「悠、由…?」


「あ…あた、し…!」


まただ。

また…泣いてやがる。


なぜこいつは俺の前で泣く?

最初のときは…今日の昼は。

そして今は…一体なぜだ?

なぜ泣く?


俺はお前の泣き顔が見たいわけじゃない。

俺が……お前を泣かせてるのか…?


「悠由…」


「お願い……嫌いにならないで…」


「……」


この俺が。

なんと声をかけていいのか分からない。


伸ばしかけた右手を見つめ、悠由を見つめる。


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