俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
抱きしめたい。
抱きしめて「心配するな」と言ってやりたい。
俺が……お前を嫌いになることなど、絶対にない。
…なのに、それができない。
ビビッてんのかよ…俺。
また拒否られたら、とかってビビッてんのかよ…。
「悪い…悠由」
「え……」
とたんに悲しそうな表情になり、さらに泣きそうになる。
「あ、いや…違う」
…なに焦ってんだよったく……。
マジでこいつ調子狂うな。
「俺が悪かったよ……」
顔を隠すようにしてそっぽを向き、呟くように言った。
「せ……」
「…?」
「せ……」
「…?」
「せ……先輩が謝った!?」
「押し倒すぞコラ」
なんなんだよマジで?
さっきまで泣いてたくせに遠慮なく失礼だな。