俺様狼と子猫少女の秘密の時間①

告げられない想い


――日曜日


土曜日は療養し、今日は発散しようということで。

那智兄を監視につけられながらも杏子と美紅ちゃんと出かけることになった。


「ゆーうーゆーっ」


「杏子! 美紅ちゃん!」


「お久しぶりでぇすおにーさん♪」


「ハァ……」


あはは……。顔に「何で俺が貴重な日曜を」って書いてあるよ。

那智兄午前中しか大学言ってないくせにね~。


「んじゃ行こうか!」


「どこに?」


そういえばどこ行くって聞いてないや。


「んー……まあ、適当よ」


「あ…そう」


杏子らしいね。


くすりと笑みをこぼし那智兄の腕に手を回して、歩く二人を追った。


「まあってよ~~!」


「っ!? おい…手ェ掴んで走んなよ」


< 117 / 335 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop