俺様狼と子猫少女の秘密の時間①

訝しげにあたしを見るから、慌てて弁明した。

失礼な…。


「勝手に人を変態扱いするやつに言われたかねーよ」


「む……」


変態扱いしてるわけでは…。

ないんだけど…。


「あの…まさかこのまま学校まで行くんでしょうか」


「このまま?」


どのまま? って聞くような顔をする。

当然あれだ。そのー…。


「手……とか…?」


わはは…なんで疑問形?


自分でももうわけわかんなくなってるよ。


そんなあたしに、先輩はけろっとして言ってのけた。


「当たり前だろ」


……と。


あなたにとっては当たり前でも、あたしにとってはそうじゃないんです。

…とそう言えたらどんなにいいことか。


「ハァ……」


聞こえない程度に小さくため息を吐き、必死で別のことを考えて顔が熱くならないように努めた。


< 124 / 335 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop