俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
あ? って…。
「ミサキー、あたし昨日すごいの見ちゃったんだよね」
後ろにいたぎゃる二がそう言った。
そうそう…ミサキだっけ…。
「そいつ昨日、なんかえらいイケメンと腕組んで歩いてたんだよ」
「!!」
「…!?」
な……。
放たれた言葉に、ぎゃる集団はニヤニヤ笑い…あたしと先輩は息を呑んだ。
「うっそー二股?」
「付き合ってないんだから二股ではないっしょ!」
キャハハ! と甲高く笑い、先輩に「じゃあまたね~」と告げて、集団は去っていった。
「……」
「……」
先、輩……。
握っていた手を、さらに強く握った。
「…!」
え……。
でも。
その手は、先輩によって……静かに離された。