俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
第四話 幸せは突然に
すれ違う心
その日は、高校に入って初めて、学校をサボった。
家には帰れないので、近くの公園でずっとブランコに腰掛けて。
何時間も何時間も、泣いては泣き止み、また泣いては泣き止み、を繰り返した。
ピルルルル…
お昼を過ぎた頃か、日が照って暖かい時間、今日何度目かの電話が鳴る。
もし。
もし篠原先輩の名前が書いてあったら怖い。
そんなはずはないのにそんなことを思い、携帯を見れずにいた。
でもさすがにこう何度も鳴ると相手に悪いので、恐る恐る取り出した。
「……杏子」
先輩じゃなかったことに安堵…と同時に、落ち込む自分がいる。
やっぱり……先輩は怒ってるんだ。
「……」
そのまま手を止めてしまい、電話は切れた。
杏子本当にごめんね?
きっとすごく心配かけてるんだろうな。
大きくため息を吐いたとき、再び杏子から電話が。
「…杏子?」
今度こそは出る。しかし発した声が思いのほか枯れていて、自分でも驚いた。
『悠由! やっと出た…どうしたのなにかあったの? 今どこにいるの!』