俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
「さてっ。んじゃー……ゲーセンでも行こっか? 可愛いぬいぐるみ取ったげるよ」
そう加えながらあたしのと自分の鞄を手にとって、あたしを引っ張って歩き出した。
「き、杏子……」
「あ、その前に顔洗う? …ってもまあ、あんた化粧してないしね…まいっか!」
ちょ……よくないって。
なにその基準。お化粧してなくてもここは…。
「ほーら。なにぼさっとしてんの!」
「あ!」
あたしの思考さえも遮ってしまう杏子の力は絶大だ。
「……ありがと杏子」
「……さーっ今日はあたしん家泊まりね❤」
「ええ!?」
大好きな親友に助けてもらい、あたしは笑うことができた。
感謝してもしきれない。
いつか絶対……返すからね。
心にそう誓った。
……「今日寝ずに遊ばせるから」って言われたときは…それを実行されたときは…ちょっと揺らぎかけたけど。