俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
解けなかった誤解
――悠由サイド――
杏子の家に泊まってリフレッシュしたあたしは、次の日幾分ふっきれて学校へ行くことができた。
お昼はまあ…どうしようか悩み中だけど!
なんとか……ならない、かな…。
「……」
だ、ダメだ…。
すぐ弱気になってしまう。
でもまず誤解を…解かなくちゃ。
先輩にはなんとも思われてなかったとしても、やっぱり…。
「こらこら。空気がどんよりしてるぞ?」
コツンと頭を小突かれた。
振り返ると、ニッと笑った杏子。
『まー…アタックあるのみよ?』
昨日の夜、半分寝かけているあたしをたたき起こしながら言ってくれた一言。
…たたき起こすのは余計だったんじゃないかって今も思うんだけど。
でも今日…意識して耳を傾けると、女の子達の会話に先輩の名前が出てたんだ。
『昨日篠原先輩朝から来てたらしいよ!』
とか。
『珍しく授業出てたんだよ篠原くん!』
とか。
『かっこいいよね~…龍樹先輩♪』
とか。
……んん?
龍樹先輩……ですとな?