俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
――そしてお昼。運命のお昼。
こういうときに限って、時が経つのが早く感じるものだ。
「どうしよう…杏子」
「あたしに聞きなさんな」
「だって……」
行こうか…行かまいか…。
というかそもそも、先輩はいるのかな?
「もしかしたら来てないかも…」
「にーげーなーいっ」
「うっ……はい…」
ハァ……行くしかないか。
どちらにせよ、誤解は解きたいしね。
「じゃあ…行ってみるね」
杏子に告げて、お昼は買わずにいつもの部屋へ向かった。
先輩…いるかなあ?
昨日朝から来てたから…今日はサボってるかも。
いやでも学校には来てるかも?
様々な想像を張り巡らせながら、緊張で高鳴る胸を押さえた。
…頑張れ!! あたし!
大丈夫だぞっ。あたし!