俺様狼と子猫少女の秘密の時間①

「うそ……でしょ…?」


思わず呟いた。


先輩がそんな……。


そう思ったとき、あることを思い出した。




『龍樹はあたしを抱いたのよ!』




あのミサキというぎゃるの高笑い。


本当かもしれない。

これは先輩かもしれない。


一気に、篠原先輩への疑惑が高まった。


「っ……」


悔しくなって。

腹が立って。


その場を逃げるように駆け出した。



…先輩は……あたしもあんな風にする気だったんだ。

体が目当てで…だからキスばっか。

でもそんなあたしが逃げたから。

他の女の子に変えたんだ……。


そんな偽物の優しさに、あたしは惹かれてたんだ。

あの笑顔は……あたしに向けられてなかった。


やっぱりやっぱり、あたしは遊びの一環だったんだ…!



< 141 / 335 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop