俺様狼と子猫少女の秘密の時間①

悔しさに涙がにじむ。

なんであたし……あんな人好きになっちゃったの?


騙されてただけだなんて…。



必死で涙をこらえ、教室に戻った。

もう二度と……行かない。


「あら? 悠由。早かったのね」


「…うん……」


箸を咥えてあたしを見る美紅ちゃん。

それに続いて、杏子がジュースを飲みながらこそこそと聞いてきた。


「先輩は?」


「……えっちしてた」


「ぶっ!!」


「は!?」


美紅ちゃんまでもが叫ぶ。


「ゆ……ゆ……悠由の口からそんな言葉が!?」


「……」


そこじゃないでしょちょっと。

なに美紅ちゃんも全力で頷いてんの?

問題は絶対絶対そこじゃない。


その事実でしょ。


< 142 / 335 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop