俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
「よくもぬけぬけと…あの子の前に顔出せたもんね?」
止められながらも強く睨みつける。
だが……正直なんのことか分からない。
『他の女まで抱いて』…だと?
「おい……なんのことだ」
「は? ふざけてんの?」
…迫力ハンパねーんだけど。
「なんのことだって聞いてんだ」
こっちもそんなのに怯むような俺じゃない。
それより早くあいつを追いかけたい。
だいっ嫌いなんか言われたんじゃ、たまったもんじゃねーよ。
「…なんか知らないけどどっかの部屋に行くって言って、えらく早くに帰って来たかと思ったら……『えっちしてた』って言って泣きそうな顔してたのよ」
え……って…。
あいつが? あの悠由がホントにそう言ったのか?
何より先に、それに度肝を抜かれた。
そしてその後ようやく内容を理解する。
「俺は……今日はあの部屋には行ってないが」
…そうだ。
悠由のやつは来ないだろうと思って、行かなかった。
でもそうか…行ったのか。
しかしそうすると……?