俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
「じゃあ好き」
適当に返して、食卓につく。
三個上の兄、那智は、女の子にモテる容姿でT大に行くほどの秀才。
まさに完璧で理想の人といえる。
たまに毒舌だけど本当はとても優しいから大好き。
たとえ……杏子に「ブラコン」と言われようとも!
「じゃあだとてめぇ」
かじっていたパンを口から離して睨む那智兄だけど。
「ママ、あたしもパンがいい」
「はいはーい」
無視を決め込み朝食をとり、もそもそと家を出たのだった。
今日帰ったときがちょっと怖いけど…まあいいや。
「おっはよー悠由!」
「おはよー」
もそもそと学校へ行くと、元気よーく言ってきた杏子にもそもそと返した。
……『もそもそ』うるさい?
「アンタ今日なんか……もさっとしてる」
「あ、やっぱり?」
「はあ?」
実際もさっとしてたみたいだから…いいや。