俺様狼と子猫少女の秘密の時間①

先輩の親友


――――……


「先輩っ…もう……」


「ダメ。まだ」


「ええ!? そんな…」


えー…放課後。

あたしは、那智兄のことで先輩を誤解させてしまったことを話した。

すると、「俺様を焦らせた罰」とか言ってキス魔発動。


なかなか離してもらえずにいる。


先輩曰く、「これでも今までは我慢してた」んだそうだ。

あれで我慢してたって…。


あんまりこの部屋には来たくなかったけど、他に行ける場所もないので仕方なく。

濃厚な時間を過ごした。


「明日……薫の野郎を十回くらいぶっ飛ばしとかねーとな」


「……」


あたしを膝に抱えて呟いた言葉は、聞かなかったことにしよう。

絶対絶対あたしはなにも聞いてない。うん。


コクコクと勢いよく首を縦に振った。


「…なにやってんだお前?」


「いっ、いえ別に」


おっとぉ…危ない。

あんまり余計なこと知られると、またキス魔が舞い降りるからね。


< 158 / 335 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop