俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
「あの先輩……ほら、もう帰らないと」
「ったく…仕方ねーな」
逃げようとしてってのはバレてると思うけど、ふうっと息を吐いて巻きつけていた腕を離してくれた。
「じゃーさっさと鞄取って来い」
「は~いっ」
ぴょんっと先輩の膝から飛び降りて、教室へ向かう。
……うふふ。ふふふふふふ♪
「きゃーーっ!」
「こら」
「にゃんっ」
テンションが上がり過ぎて、つい声を出してしまったあたしに、横からスパンとチョップが飛んできた。
「っつ~~~!!」
「人騒がせなんだからぁ! なにがきゃーよ。心配させて…」
「よかった悠由。笑ってくれて」
杏子なんてまだペスペス叩いてるのに、美紅ちゃんは潤んだ瞳で優しい言葉をかけてくれた。
二人にすごく、心配かけたんだなって思った。
「ごめんなさい…」
「で? その様子からすると…」
「う……」