俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
キラーンと光る杏子の目。
ニッとつり上がる美紅ちゃんの口元。
「……!」
ごくりと喉を鳴らした。
「やったあ! 悠由~~っ」
「わにゃん!」
ぐゎばっと勢いよく抱きつかれる。
「杏子、先輩に食って掛かったのよ。ふふっ」
そんなあたし達を見ながら、美紅ちゃんがそのときを思い出したように笑って言った。
……って…。
食って掛かった…?
「だ、だって…最低野郎かと思ったのよ」
んなっ……なんてことを!!
あたしのために怒ってくれたのは嬉しいけど……どれもこれも、全部勘違いじゃない!
あっちゃ~……。
先輩のほっぺたが赤かったのは…もしや。
あえて触れなかったけど……。
先輩もなにも言わないから、触れなかったけど……。
「……そういえばあたしあの顔をひっぱたいちゃたわ…」
やっぱり…!!
ぐわんと金づちで頭を叩かれたような衝撃が走った。