俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
「じゃあたし急いで行って来ます!」
「あ、待って悠由! あたしも行く~。…杏子、あんたは謝んな」
「えっ、ちょ…美紅!?」
タッと駆けて、美紅ちゃんと一緒に今度こそ教室へ。
杏子……大丈夫かな?
「んしょ…」
心配は心配だけど、まあ先輩だって怒ってはないだろう。
そう思って、鞄を手に先に靴箱へ向かった。
「じゃああたし先に帰るね。おめでと悠由。ホントによかったわ」
「ありがとう。ごめんね?」
美紅ちゃんに言うと、「なに言ってんのよ!」と背中をバシンと叩かれた。
それも優しさだと思えば…なんのその。
痛くなんてなかった。
「ばいばーい」
大きく手を振った。
「ゆーうゆっ。あたしも帰るね❤」
「あれ。杏子」
ん…早かったんだね。
あのあとすぐに教室に戻ったってこと?
「ってあ!」
考えているうちに、杏子はぴゅうっと去ってしまった。