俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
「な、なんなんだ……」
一人残されたあたしは、ぽつねんと靴を履いて立ちすくんだ。
「帰るぞ」
「えっ」
先輩まで……いつの間に。
後ろからぽんっと頭に手を置かれ、真上を見上げた。
「おいで」
「……はいっ」
一歩前から、差し出された右手。
笑顔で答え、その手を握った。
「あのー。…そのお友達って…」
「あ"? 誰が友達だ」
「すっ…すみませんっ」
と、友達じゃないのか……。
睨み怖すぎですよ。
怯みつつも、気を取り直してもう一度問う。
「えーと…その薫さんって人…」
「の話はもうするな。腹が立つ」
「は、はあ…」
また最後まで言えなかったよ。
なんか前も……。
あたしってそういう運命?