俺様狼と子猫少女の秘密の時間①

とっても幸せながら、いつもと変わりない先輩。

でもそれがまたさらに幸せを引き立てるわけで…。


なんだか実感がないけど、あたし。

先輩の…彼女なんだ……。


「……」


ボッと音がしそうなほど、それこそ顔から火が出そうなほど、熱くなった。


か、彼女……。

わー…ほんとですか?


家に帰ったあたしは、自室で両頬に手を当て身悶えしていた。


今更ながらに信じがたい!

あの先輩が……あたしを好きって言ってくれた。

うそでも嬉しいよう~!


「やだもう!」


「……変態」


「え"」


誰ですか。人が幸せに浸ってるときに先輩みたいな横槍をさすのは。

このうちには“彼”しかいない。そう。


「那智兄」


この人はまた…年頃の妹の部屋に勝手に入るかな?


今日はドア付近ではなく、机の椅子に堂々と腰掛けている。

ていうかまあ……気付かなかったあたしもあたしか。


< 164 / 335 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop