俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
とっても幸せながら、いつもと変わりない先輩。
でもそれがまたさらに幸せを引き立てるわけで…。
なんだか実感がないけど、あたし。
先輩の…彼女なんだ……。
「……」
ボッと音がしそうなほど、それこそ顔から火が出そうなほど、熱くなった。
か、彼女……。
わー…ほんとですか?
家に帰ったあたしは、自室で両頬に手を当て身悶えしていた。
今更ながらに信じがたい!
あの先輩が……あたしを好きって言ってくれた。
うそでも嬉しいよう~!
「やだもう!」
「……変態」
「え"」
誰ですか。人が幸せに浸ってるときに先輩みたいな横槍をさすのは。
このうちには“彼”しかいない。そう。
「那智兄」
この人はまた…年頃の妹の部屋に勝手に入るかな?
今日はドア付近ではなく、机の椅子に堂々と腰掛けている。
ていうかまあ……気付かなかったあたしもあたしか。