俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
――――……
「場所……変えるか?」
「えっ」
メロンパンを咥えたまま、あたしは先輩を覗った。
「ここ嫌だろ?」
「……」
どうやらあたしを気遣ってくれてのことらしい。
でも……。
「…いえ。だいじょぶです」
確かに最初はちょっといい気はしなかったけど、それでもやっぱりここは先輩とあたしの秘密の場所だ。
ここで嬉しかったことも…泣いたことも、全部大事にしたい。
そしてここで、先輩ともっと一緒にいたい。
「ここが、いんです」
「…そうか」
微かに笑みを浮かべて、頭をよしよししてくれた。
先輩やっぱり……優しいよね、本当は。
だから好き……なんて。えへへ。
勝手に照れ笑いをするあたしを、心底気味悪そーに見る先輩。
その顔……ちょっと落ち込むんですが。
「おいーっす! やっぱここいたか!」
「…へ?」
「あ?」