俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
「あ"ーーっ。死ぬ……」
「悠由…。その声やめな。せっかく可愛いのに台無しだよ」
いやいや……。
数学と英語が二連チャンであれば、これはもうホントに死にますって。
「ちょっと外の風に当たってくるね」
のろのろと立ち上がって、杏子に断りをいれ教室を出た。
なにも外に出なくても…ベランダでもいいんだけど、ちょっと行きたいとこがあったのだ。
「今日も……いるのかな」
そう、屋上。
あんな怖い人嫌いだけど、ちょこっとだけ覗いてみよーかなーなんて…。
なんかちょっと気になるから。
カツンカツンと足音が響く。
やがて階段の向こうに扉が見え、キイィーッと音を立てて開いた。
頭だけを出し、きょろきょろと見渡す。
けれど、視界には青い空が広がるばかりで、人の姿はない。
「いないか……」
いいんだけど、別に。
またなんか……されたらやだし。
そう思って、引き返そうとした。
そのとき。
「ん……?」