俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
背中の後ろのあたしをひたすらかばってくれる先輩。
それをなんとか突破しようとする薫さん。
「仲いいんですね!」
「あ"あ"?」
「あ、そう見える?」
げ。
な、なんか今……触れちゃいけないモノに触れたよ!
“篠原龍樹の逆鱗”…。
絶対やばい。なんかこう…顔が。
「いっやー、俺もさ? 龍樹の親友を自負してるんだけど…」
「殺すぞ」
「……はい」
「すみません…」
それはそれは恐ろしい、この世のものとは思えぬ形相でした。
おじいさんとおばあさんは、あまりの恐怖にわけも分からず謝罪しましたとさ。
「悠由お前……後で覚悟しとけよ」
「はい……ってなんで?」
なんであたし!?
仲いいんですね、って…言っただけだよ!?
「へー。悠由ちゃんって言うんだ。名前もかわい…」
ばきっ
「……」