俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
食べかけていたメロンパンを、こそっと置いて、
「あ、あの~……?」
最悪の事態に備えた。
最悪の事態…すなわち、キス魔降臨…。
「……」
「……」
ドキドキ。
ドキドキドキ…。
怖いけど…待ってる自分がいる。
先輩とキスするのは、ドキドキするけど好きだから…。
「……」
「……あ」
「……は?」
あたしの目の前まで来て、左手であたしの頬を包み込んだ……次の瞬間。
拍子抜けするくらいあっけらかんと声を落とす先輩。
「ど、どうかしたんですか…?」
「……いや…」
顔をそらして答えると、パッと離れていってしまった。
離されたほっぺたがスースーする。
あったかかった……。