俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
喋ろうとする悠由の力は、どんどんなくなっていく。
肩口を握って支えていた体が、ずり落ちていった。
その体を支え、さらに深く口付ける。
その後数分間、悠由がギブアップするまでたっぷりと楽しんだ。
「っせ……せんぱ…」
「あ? なんだって?」
「あ、いや…り、龍樹…先輩…」
……可愛い。
名前言うだけで真っ赤になってやがる。
むにっと頬を両方から引っ張ると、涙目で睨みつけてくる。
逆効果だっつーの…。
「くくっ…」
「にゃっ。にゃんでわらうんでふか!」
「くくくっ…」
「む~っ」
いつかこいつの言ったとおりだ。
確かに俺は、自覚するほどに丸くなった部分もあると思うし、笑うようになったと思う。
それは全部……悠由のもつ雰囲気のせいだ。
なんかこう、こいつといると肩の力が抜ける。
今も「ふに~」なんて言ってるせいだろうか。
それが…悠由の最大の魅力だな。