俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
あ…あれ。
なんか見えるよ?
なんか物体が転がってるのが見えるよ…?
何気なしに左を見直すと、そこになにやら……人らしきモノが。
まさかという思いで、抜き足差し足で近寄る。
「あっ……!」
その転がっていた人らしき物体は、なんと昨日の男の人だった。
しかもなんか寝てるし……。
つい声が漏れてしまい、慌てて口を押さえながら、一メートルくらいの間隔をあけてしゃがむ。
「わー……お肌綺麗…」
それにまつ毛も長い。
髪の毛さらさらだし……正直うらやましいほどの容姿だ。
あまりに綺麗過ぎる寝顔を、じーっと眺めてしまった。
「……っ…」
「!?」
眺めてしまっていると、小さく声を漏らして眉をしかめる彼。
息を呑んで固まってしまうあたし。
「…………」
…あ、あれ…?
また寝た……?
軽く身じろぎをしただけだったようだ。