俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
ぶつぶつ言うあたしを、ずるずると引っ張っていく。
…物扱い?
「…あ! あ、あ、あ…ま、待って先輩!」
「はあ?」
そろそろ学校が見えてくる頃だ。
「あの……どうぞ先に行って下さい」
「はあ?」
なんでわざわざ?と聞きたげだ。
それはそうだよね…同じとこ行くのにわざわざ意味が無い。
でもあたしにとっては大アリなのだ。
「あの……あたしなんて先輩と一緒にいたら…」
昨日みたいに睨まれるに違いない。
先輩と付き合ってることは、杏子と美紅ちゃん以外内緒にしときたい。
「なにわけ分かんねーこと言ってんだよ」
「とっ、とにかくじゃあもうあたし先行きますよ!?」
「あ、おい!」
返事も聞かず、叫ぶように告げると全速力で駆けた。
ごめんなさい~~!
お昼は行きますから…! 怒らないで❤
「……なんて。無理か」
覚悟しとこう…なんでも。
ぱしりでもキス魔降臨でも…。