俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
――龍樹サイド――
嫌な予感がした。
走って逃げた悠由を、一足遅れて追いかけた俺。
追いついたとき一瞬だけ、いつも付き纏う女達が見えた気がした。
まさか……悠由…?
焦って走り寄ったときにはもう遅く。
女達の姿は見えなくなっていた。
「くそっ……」
しまった…!!
アイツら…悠由を尋常じゃないほど恨んでやがる。
なにをするか!
あちこちを探し回ってみても、見つからない。
そうだ…携帯…!
思いついて、電話をかける。
だが…まったく出る気配が無い。
その間も走り続け、やがて。
ピルルルルル…
「!?」
校舎裏で、物陰のほうから電話の音が聞こえた。