俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
「悠由! ここか!?」
久方ぶりに大声を張り上げ、音のしたほうへ足を向けた。
「…!?」
な……。
悠、由…!
「悠由!」
「っせ……んぱい…」
力なく呟く唇は、震えている。
相当泣いたのだろう、涙の痕も残っている。
「悠由…っ」
膝に抱きかかえ、顔についた土を拭った。
「先輩……あたっ…あたし…!」
「喋るな。大丈夫だ……もう大丈夫だ」
ぐっと悠由の頭を胸に掻き抱いた。
俺は……またこいつを泣かせた。
この小さな体を守ることができなかった。
「悠由……っ」
悪い…悠由…。
悪い……!