俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
また静かな寝息をたて出したのを確認して、そろーっと立ち上がろうとした。
……でも。
ガシッ
「!?」
それは、いきなり伸びてきた手に阻まれ叶わなかった。
「…タダ見させるわけねーだろ」
「えっ……」
寝ているとばかり思っていたのに、なんと起きていたらしい彼。
ゆっくりと目を開けて私を見ながら言った。
「俺様の寝顔は高ェんだよ」
なっ……!!
高いって! 寝顔って! 俺様って!
発言のすべてに反応するも、体は固まったまま。
どうしよう……。
「あの……ごめんなさい…あたしお金持ってません…」
「金払えとは言ってない」
「はい…?」
むくり、と起き上がって髪の毛を掻きながらそんなことを言う。
高い……って言ったのに…。