俺様狼と子猫少女の秘密の時間①

本当に心配そうな顔で覗き込まれる。

でもまさか、ただ先輩に会えないのがいやだなんて…言えるわけない。

こんなに心配してくれてるのにそんなこと…。


「おい…ほんとに大丈夫か?」


「大丈夫、です…」


数日会わなかったら…先輩が離れていっちゃうんじゃないかって。

あの人達みたいな人のとこへ行っちゃうんじゃないかって…。


あたし……先輩を信じられてないのかな?



「おい…!」


「っ……」


本当は……本当は聞いてしまいたい。

あのミサキっていう人…。

本当に彼女だったの? って…。


もしかして今も…なんて思ってる自分が苛立たしい。


「う……っ」


「悠由……」


困惑した表情、困惑した声色で、上半身を起こしたあたしを静かに抱き寄せる。


「大丈夫だから……泣くな」


「う~……!」


大丈夫って…なにが大丈夫なの?

ねえ、先輩……。


< 194 / 335 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop