俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
……代金て。
もしかして寝顔代ですか?
高すぎでしょ。
驚きを通り越して呆れ返るあたし。
起き上がってしゃがみこんだまま、しばらく呆然としていた。
「…おい。澤村悠由」
「…………はっ!?」
「携帯出せ」
「…………は?」
「いちいち間がうぜぇ。さっさと出せ」
出せ、と言ったくせに、勝手にごそごそとあたしのポケットを探る。
「ちょ、ちょっと…!」
「あ」
慌てて止めようとしたときにはもう見つけたようで。
あたしの携帯は取り出された。
そしてなにやらつついたあと、また無言でポケットに入れ直した。
なんか……。
なかったことに…しようとしてません?
「あの~……」
「篠原龍樹」
「えっ」