俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
第六話 衝撃は突然に
事件の序章
――龍樹サイド――
電話を切り、ソファに寝そべった。
「ふう…」
しかし…。
やっぱりあいつ、大丈夫じゃねーじゃねーか。
本当に泣きそうな声しやがって…。
怯えてるのか…不安がってるのか…。
……そばに…いてやりてぇな…。
ピーンポーン
「……あ?」
誰だよったく…。
といってもうちを知ってるのは、中井か薫か…あたりくらいなもんだ。
薫の野郎だったらとりあえず一発いっとくか。
自分の中ではほとんど決定して、完全に蹴る気で玄関を開けた。
「いやっほーっ!」
「…っては?」
出しかけた足は、飛び込んできた思わぬ人物のせいで止まった。
「お前……」