俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
さっきまで俺が寝ていたソファに、ドサッと足を組んで座り、煙草を吸い始める。
「コーヒーくらい出さないの?」
「いるわけ」
「いらないけどさ」
じゃあいいだろ……。
どんだけめんどくせぇんだよこいつは。
再びため息をつき、向かいのソファに腰掛ける。
「で? なんか用があって来たんだろ」
「まあね~」
フッと煙を吐き、えらそうにそう言う。
一見軽そうだが……この女が煙草を吸うってことは、相当のことがあったんだろう。
昔からそうだ。
大事な話やなんかをするときは、煙草を吸う。
嫌な胸騒ぎがして、少しだけ身構えた。
「……」
「……」
「ふう……」
灰皿に煙草を押し付け、座り直し……真剣な顔を作ると。
「…“アイツ”が出てきたわ」
一言、そう言った。