俺様狼と子猫少女の秘密の時間①

「名前で呼べ。うざいから」


うざいって……さっきもうざいって。

あたしそんなにうざい?


少なからずショックを受けながらも、頭の中の大半を占めるのは…。



「やっぱり…篠原先輩だったんだ……」



…ということだ。

杏子すごい。さすがだわぁ。

本当に篠原龍樹だった。


一人で納得するあたしの思考を、まるで日本刀で斬るかのようにばっさり遮ったのはその篠原先輩だった。


「やっぱりだと?」


「あ……友達に聞いたら、篠原先輩じゃないかって言われたので」


「……」


あれ…。

なにかまずいこと言ったかなぁ?


内心焦りかけながら、恐る恐る篠原先輩の顔を覗いてみる。


「あの……篠原先輩?」


声をかけてみても返事はない。

なにか考え込んでいる様子で、険しい表情をしている。


なんか……話しかけないほうがいいのかな?



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