俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
「おうしっ。行くぞー」
「は、はあ……」
遊びに来たんじゃないはずだけど……なんか完全にそのテンションだよね。
いいのかなこれで…。
「ハア…」
今度はため息をこぼし、ルンルン気分で入っていく二人の後を追った。
「つーわけなんで、四〇二号の篠原のとこの鍵貸してくっださい!」
「はいよ」
はいよって!!
つーわけなんでってなにも言ってないのにはいよって!!
そんな簡単に貸しちゃっていいの管理人さん…。
「顔馴染みなの❤」
玲菜さんが、こそっとあたしの耳元で囁いた。
それだけで鍵貸しちゃうのも充分どうかと思いますが…。
まあここは黙っておこう。
エレベーターで四階まで上がり、先輩の部屋の前まで着いた。
「一応…と」
そう呟いて、薫さんがチャイムを押す。
……が…。
「応答なし、か…」