俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
「いやさ…言ったっしょ? 俺。帰ってこないつもりなんじゃないか…って」
「……」
「ちょっと薫…」
まさか……。
「当たってた…みたい」
「え……」
とても重たい石を、叩きつけられた気分だった。
先輩が……帰ってこない…?
急速に脈が速まっていく。
「見てみな、これ」
指差された先のものを見て、一瞬目を見開いて……次の瞬間、体の力が抜けた。
――悠由を頼む。
ここには戻れない。
それは……恐らく先輩の置き手紙。
薫さんが来ることを、見越してたんだ…。
「先…輩……」
うそ、でしょう…?
先輩……!