俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
そうしているうちにお昼は過ぎていく。
諦めのため息をこぼし、重い足取りで教室へ戻るのだった。
「悠由おかえり」
「美紅ちゃん…」
「ちょっとー。悠由ちゃんと食べてる? 顔色悪いよ」
「うん…」
食べ物が喉を通らないんだ。
不安で…不安で…仕方なくて。
『ここには戻れない』
先輩の置き手紙にあったその一行が、もう二度と戻ってこないという意味に感じて。
『悠由を頼む』
どうして?
どうして頼むなの?
たった二行。
たった二行の中に、二度と会えないという意味がこめられているように思える。
そんなはずない。
きっとすぐに戻ってくる。
そう言い聞かせる毎日だ。
「…ゆ……ゆうゆ…!」
「え…?」