俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
「ちょっと…本当に大丈夫なの?」
「あ…うん…。大丈夫、だ…よ……?」
いきなり、視界が真っ黒に染まった。
頭から血の気が引くような感覚が走り……次の瞬間。
「悠由!!」
そんな杏子の声を耳にしたのを最後に、あたしは意識を失った。
……ざわついてる。
周りが…ざわついてる。
「悠由――…!!」
「ん…あ……」
「悠由しっかりして!」
朦朧とする意識の中、美紅ちゃんと杏子の声が遠くに響く。
体に…力が入らない。
「誰か手伝って!」
杏子の怒鳴るような声と共に、あたしの体は浮き上がった。
「悠由ちゃん大丈夫か?」
「かお……る、さ…?」
なんで…?
…そう思ったときにはもう…あたしは、完全に意識を手放した。