俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
「サンキュー」
そう言って中に入り、ベッドへ寝かせてくれた。
「ありがとうございます」
「いえいえ」
悠由……。
倒れるまで無理してたなんて…。
あたし達に言ってくれればいいのに。
美紅も同じ思いのようだった。
「悠由……ばか」
「……。…あ、そういえば…久遠先輩なんであそこに?」
「あれ? 俺のこと知ってる?」
「そりゃあまあ」
「でも悠由ちゃん…知らなかったみたいなんだよねー」
そりゃ……この子はそうでしょうよ。
あたしがよく知ってるんじゃなくて、悠由が知らなさ過ぎなの。
「で…あの……」
美紅が遠慮がちに口を開く。
「ああ、そうそう。でも待って。悠由ちゃん起きてからね」
「は、はい…」
悠由に…用があったのか。
なんだろう?
もしかして……篠原先輩のことかしら。