俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
考えを巡らせていたときだった。
「う……ん…」
「悠由…!?」
「ん……?」
悠由が目を覚ました。
「悠由っ…大丈夫?」
「美紅…ちゃん」
美紅が…安堵の表情を浮かべた。
あたしも無意識に口元が緩むのが分かった。
「悠由……」
「杏子…」
思いっきりハテナマークを浮かべている。
状況をまったく理解してないみたい。
「悠由ちゃん~! 大丈夫?」
「薫さん…!」
気を失う直前のことは記憶にないのか、とても驚いた顔をする。
「久遠先輩が運んでくれたのよ」
「くどおせんぱい?」
「悠由ちゃん悠由ちゃん。俺の名前、久遠薫ね?」
「そうなんですかぁ」
いやいやちょっと。
知らなかったの?