俺様狼と子猫少女の秘密の時間①

考えを巡らせていたときだった。


「う……ん…」


「悠由…!?」


「ん……?」


悠由が目を覚ました。


「悠由っ…大丈夫?」


「美紅…ちゃん」


美紅が…安堵の表情を浮かべた。

あたしも無意識に口元が緩むのが分かった。


「悠由……」


「杏子…」


思いっきりハテナマークを浮かべている。

状況をまったく理解してないみたい。


「悠由ちゃん~! 大丈夫?」


「薫さん…!」


気を失う直前のことは記憶にないのか、とても驚いた顔をする。


「久遠先輩が運んでくれたのよ」


「くどおせんぱい?」


「悠由ちゃん悠由ちゃん。俺の名前、久遠薫ね?」


「そうなんですかぁ」


いやいやちょっと。

知らなかったの? 


< 238 / 335 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop