俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
はっ…。
俺が悠由を守るだと?
とんだ笑い種だ。
あれだけ傷付けて。
あれだけ泣かせて。
今も、不安定なあいつを放ってきた。
「守るなんて……綺麗なもんじゃねーよ」
「……」
ただ俺は、あいつだけは巻き込みたくない。
俺の昔の事情に、悠由を巻き込みたくなかったんだ。
ただ、それだけの話…。
「ま…。いーんだけどね」
肩をすくめてそう言い、キッチンへ立つ。
「なんか食う?」
「食わねぇ」
「あっそう」
…あれから一週間。
今のところはなにもないが……このまま何事もなく終わってくれれば…。
あるいは、悠由のもとに……。
「……ハァ」
深くため息をついて、ソファに横たわる。