俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
ぎゃーぎゃーと言い争いを続けること十数分。
いい加減馬鹿らしくなって与えられた部屋へ引っ込んだ。
「ハァ……」
ったく…めんどくせぇ。
ガシガシッと頭を掻いて、ベッドへ仰向けに転がった。
「……」
出所して……少しは変わったのかよ、親父…。
目を閉じると…思い返されるのは小学中学時代の頃。
そして四年前の…姉貴が死んだとき。
三年前の、母親が死んだときだ。
「…っ…くそ…」
泣いてる。
泣いている。
記憶の中の、昔の俺が……。
今もずっと、泣き続けている。
現実には渇いた涙。
心の中の俺は、五年間ずっと……泣き続けている。