俺様狼と子猫少女の秘密の時間①

先輩……先輩…!

どうして…どうして?

なんでなにも言ってくれなかったの?


どんなに……辛かったの…?


先輩…!



「う…っう…!」


ついに耐え切れなくなって、顔を覆って泣いた。


「悠由……」


「っ……ふ…っ!」


先輩…帰ってきて。

帰ってきて…先輩…!


「龍樹は……親父が自分の所に来れば、いずれ悠由ちゃんにもなにかしら影響が及ぶと思って…姿を消したんだよ」


っ……!!


「っふえ……! うう~…!」


先輩…ばか……ばかぁ……!

そんなこと…そんなこと!



…ただ、涙しか出なかった。

嗚咽ばかりを漏らし、杏子にすがって泣き続けた。


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