俺様狼と子猫少女の秘密の時間①

――龍樹サイド――


「ふええ~~っ」


「情けねぇ声出してんなよ…」


ふっと笑みをこぼし、ぽんぽん頭を撫でた。

こんなにしがみついてくるのは初めてだ。

どうも…不謹慎なことを……いや。


…とせっかく、目覚めそうになる野性の本能を押し込もうとしているというのに…。

この天然小悪魔は…


「先輩……ちゅー…」


「……」


涙目に上目遣い…それに加えて、寒さと泣いたせいで赤い鼻に頬という、誘惑しているとしか思えない顔で言うのだった。


当然押し込みかけた本能は、瞬く間に表へ出る。


「っんん…!」


俺だって……お前に触れたかった。

触れたくて、愛しくて、たまらなかった。


荒々しく唇を重ね、貪るように求めた。


「ふ、ん…っ」




……ハッ…。

おい…外だよここ。

こいつ、気付いたらまた俺を吹っ飛ばすぞ…。


ふと、気付きたくないタイミングで気付いてしまった。


< 263 / 335 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop