俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
――龍樹サイド――
「ふええ~~っ」
「情けねぇ声出してんなよ…」
ふっと笑みをこぼし、ぽんぽん頭を撫でた。
こんなにしがみついてくるのは初めてだ。
どうも…不謹慎なことを……いや。
…とせっかく、目覚めそうになる野性の本能を押し込もうとしているというのに…。
この天然小悪魔は…
「先輩……ちゅー…」
「……」
涙目に上目遣い…それに加えて、寒さと泣いたせいで赤い鼻に頬という、誘惑しているとしか思えない顔で言うのだった。
当然押し込みかけた本能は、瞬く間に表へ出る。
「っんん…!」
俺だって……お前に触れたかった。
触れたくて、愛しくて、たまらなかった。
荒々しく唇を重ね、貪るように求めた。
「ふ、ん…っ」
……ハッ…。
おい…外だよここ。
こいつ、気付いたらまた俺を吹っ飛ばすぞ…。
ふと、気付きたくないタイミングで気付いてしまった。