俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
「悠由……」
ああ……離したくねぇ…。
でも吹っ飛ばされたくもねぇ…。
仕方なく、惜しい気持ちを抑えてとりあえず離れた。
冷静に…冷静に。
どっか室内で、と…。
そう思って俺は冷静に戻りつつあったのに、このどうしようもない天然はまた……
「…んやぁ…っ…もっと……」
…また……どうしようもなく、俺を誘惑する。
半泣きでいやいやと首を横に振りながら、コートを掴んで必死でしがみついてくる。
「大丈夫だ。もうどこも行かねぇよ」
「ひっく……ふえ…」
「安心しろ、な? …悪かった。本当に…」
「……ほんと?」
うっ……。
可愛すぎる。
なんだこの小動物は。
服を掴んだまま、涙目で見上げ、首を傾げる。
完全に……男を捕まえる技をマスターしているとしか思えない。
「…ほんとだって。もう絶対どこへも行かない」
「……うん」