俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
内心ため息をつく俺に、怒ったような口調で悠由は言った。
「だって…あたし先輩がいなくってすごく寂しかったんですよ」
「……」
…可愛い。
怒ってる顔がすでに可愛いのに、言ってることがさらに可愛い。
「分かって…ないです」
「…そうかもな」
でも……たぶん、お前も分かってないよ。
俺がどんなに…お前に溺れてるのか。
ふっと笑みを一つこぼした。
「…なんで笑うんですかぁ」
「別に」
「むっ」
…戻れる。
俺は…悠由の側へ戻れる。
この髪に指を絡めることも、すべすべした肌に触れることも、華奢で柔らかい体を抱きしめることも。
潤った…柔らかな唇にキスをすることも。
……できる。