俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
――悠由サイド――
ど、どうしよう…!!
当たり前だけど聞かれちゃったよ…。
本来、あたしがここなんて知るはずがない。
冷静な先輩は、当然そこに気付いた。
素直に「あ、実はぁ」って言えればそれでいーんだけど…。
『――…あ、そうだ。ちなみにあたしのことは、龍樹のやつには言わないどいてね❤』
「あ、はい…?」
『あはは。ごめんねー。じゃっ!』
「あ。切れた」
……と、このように、千絵さんには口止めされている。
どうもあたしの口からは……。
「まさか……千絵か?」
「はいっ!?」
……もうバレました千絵さんっっ!
この人鋭いんです無理ですすみません!
「やっぱりか……あの女…」
「え……へへ?」
愛想笑いを浮かべて、てへっと首を傾げてみた。
究極のとぼけポーズなり。